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お話続き

安らげる場所 ・・(鴨子で子育てならベビーカーはエアバギー)
 
 

 いつもの道を娘と帰宅。
バスか車を使い、なかなかの傾斜とカーブが続く山道を通って自宅へと向
かうのですが、その道中、1歳半になる娘はかなりの確率で寝てしまいます。
(90%超)
カーブの揺れが心地良いのでしょうが、近くへ徒歩で(抱っこをして)出かけた
時の帰り道も然り。
   
この習性は何なのかといつも不思議に思います・・・
帰巣本能(?)とでも言うのでしょうか、とにかくこの地域に少なからず特別な何
かを感じ、安らいでいるようでとても微笑ましいです。
帰巣本能といえば思い出すのが私の父親のこと。
実家はマンションなのですが、ある時期、飼ってもいない鳩たちがマンションに
たくさん集まって、みんなが糞などの被害に困ってしまうことがありました。
そこで鳥好きの私の父親がうちのベランダにその鳩たちを誘い込み、一旦集
めたうえで遠方へ行く予定の知人に手伝ってもらって、遠方で放してもらいました。
おそらく100キロは離れていたと思うのですが、例の帰巣本能によって鳩たちは
我が家へ帰ってきてしまいました。
父親は鳥が好きなのでさほど嫌そうにもしていませんでしたが、母親は洗濯物や
ベランダが汚れるのが心配で困っていました。
私は子どもながらに鳥の習性のすごさに感心していましたが、父が捕まえては
遠方で逃がすという作業を何度か繰り返すうちに、近所の人たちに
“我が家の鳩”と思われて、“我が家の鳩が近隣に迷惑をかけている”
というシチュエーションに陥ったことがとても歯痒くて、少し切ない思い出です。
今思い返してみると、その鳩たちにとって、我が家は安らげる居心地のいい
場所だったのかもしれません(^-^)
娘にもそんな動物的な勘が備わっているなら素敵です!
 
ちなみに私は、バス停や駅までの移動は専ら抱っこひもかベビーカーですが、
中でもおススメのものがあるので紹介させてください~!
 
まずベビーカーですが、鴨子ヶ原に住む以上、坂が多いことを視野に入れると
出番はそんなに多くないかなと考えていました。
車に積んでおいて、買い物などの目的地で使うことを前提に。
なのでどちらかというと“軽量コンパクト”よりは“走りやすさと乗りやすさ”で考
えました。そこでおススメしたいのが「エアバギー」です。
 
 

 
 AirBuggy COCO
 
三輪なのでエレベーターなどの狭いスペースでもくるりと回転できるほど小回
りが利き、人ごみでも大活躍しています。
そして、タイヤが大きく自転車のように空気を含ませるタイプなのでクッション性
が高く赤ちゃんへの振動も軽減でき、多少の凸凹道でもスイスイ走ります。
本体は軽量とはいえませんが、その分安定感があるといった感じです。
ハンドル部分にブレーキの付いたタイプもあり、坂道の多い地域では活躍する
のではないでしょうか。
 
そして抱っこひもについて。
これ無しでは生きていけないと言っても過言ではないくらい、かなりの頻度で
使っています。抱っこひもといえばダントツ人気なのが「エルゴベビー」。
 
 

 
 
 Ergobaby
私の友人もほぼ全員これを愛用しています。腰や肩の負担が少なく、本当に楽!
でも・・今回私がおススメしたいのは「ベコ」というメーカーの「ジェミニ」
というシリーズです。
 

 
  Beco Gemini
機能性はエルゴもベコもほとんど変わらないと思います。
ではなぜベコを選んだかというと、一番の理由はシルエットがスッキリしていること。
背の低い私にはエルゴは少しゴツいのです・・
その次に、エルゴにはない“前向き抱っこ”ができることです。
これはめったにすることはありませんが(‐_‐)、その時は楽しそ~う!
と思えてなりませんでした。
あとは街で同じ抱っこひもをしている人にめったに遭遇しないことです。
 
抱っこひも選びに関してはかなりの時間をかけて悩みました。
インターネットで調べる限り、ベコは試着できるお店も近くになかったので、口コミ
などを参考にしつこく調べているうちに疲れてしまったり。
そんなある日、ベビーカーを買いに前述のエアバギーの販売店へ行ったところ、
偶然ベコが置いてあったのです!
ありとあらゆるベビー用品店を回っても目にすることができなかったので、奇跡
だと思いました。そこで試着もできてしっかりと納得し、購入することができました。
 AirBuggy 神戸苦楽園店
 
そういう運命もあったことからこの抱っこひもにはとても愛着がわいていますし、
家事の間おんぶしているだけでよく眠ってしまうぐらい娘も気に入ってくれている
ようで、本当に手放せない一品です。
 
抱っこひもやベビーカーでは寝てばっかりの娘ですが(笑)、近頃歩くのが上達し
てきたところなので、坂道にも寒さにも負けないよう、たまには歩いてお散歩を楽
しみたいと思う今日この頃です。
 
 
 
 
ホタルのいる川 住吉川
5月の終わりごろ、主人が一冊の情報誌を買ってきました。
 
「今年はホタルを見に行く!」
 
といって意気込んでおり、娘に見せたいとのこと。
(娘はまだ0歳です)
 
本で調べるうちに家の近所の住吉川でも見れるということが判明し、
たいそう驚いていました。(以前書きましたが私は知っていました)
数日後、3人で住吉川へホタル観賞に出かけました。
私たちの他にも恐らく見に来たのだろう人たちが何組もいて、こんな所でほんとに
見れるんだと期待が膨らみました。(私は噂程度にしか信じていませんでした・・・)
結果から言うと確認できたのは一匹・・・
川辺に生えている草にじっと目を凝らし、ゆっくり歩きながら注意深く探していたところ、
同じく隣で探していた小学校高学年ぐらいの男の子に、
 
「おったー!!」
 
と、今まさに私の視界に入り言おうとしたタイミングで先に言われてしまいました。
その日確認できたのはその一匹で、光を放っている時間もずっとというわけではな
かったので、ホタルを見るのは簡単ではないのを改めて感じました。ただ、一匹で
もいいので私が
「おったー!」
と言いたかったです。
 
その後、住吉川のホタルについて少し調べてみました。
阪神淡路大震災以降、神戸を元気づける意味も含めて
広島県福山市「服部の自然を守る会」から毎年のように幼虫と、餌になるカワニナを
譲り受けていて、11月頃に上流あたりで放流し、それが成長して初夏には見れるよ
うになるそうです。私は昆虫を飼ったことがないので、成虫になるまでけっこうかかる
んだなというのが正直な感想ですが、それを考えると一匹も無駄にすることなく初夏
まで無事に成長してほしいと思いますし、自然を守ることに少しでも協力していきた
いなと思いました。 夏休みには「住吉川親子水辺フェア」が開催されていて、普段で
きない遊びができてとても楽しそうです。私も是非参加してみたいイベントです。
今回は恐らく時期が早すぎたため、一匹しか見れなかったのですが、それに満足し
てしまってもう一度足を運ぶことをしなかったので、来年はもう少したくさん見れる時
期に行き、今度こそ私が見つけたいと思います。
 
 
 
 
 
阪急御影駅が変わりました。
2012年4月。
長い工事期間を経て、ついに阪急御影駅がリニューアルしました。
どこが変わったかといえば、 
 ・北側改札口に自動券売機を設置
 ・梅田方面のホームにエレベーター、エスカレーターを設置
 ・きれいになった
ぐらいでしょうか。
 
何でもリニューアルすると便利になるというイメージが勝手にありましたが、
今回の件に関しては 若干不便になりました・・・
北側の歩道橋を渡って梅田方面のホームを利用している者からすれば、
改札口が東側へずれたことによって、変に歩かされる距離が増えたのです。
歩道橋は西側へ膨らんでいるし、改札口は東側にあってホームへ行くのにまた西へ・・・
朝の1分1秒を争っている私にはこの動きがとてつもなく無駄に思えるのです。
(※あくまでも私の個人的な事情による意見であり、
設備等は言うまでもなく格段に良くなっています!)
 
きれいでオシャレな外観になったところはとっても気に入っています。
北側のロータリー奥には恐らく数年後、蔦でいっぱいになるであろう壁が造られ
ていて、重厚感があって素敵な駅だなというのが電車の中からもきっと見えると
思います。
 
駅付近はいたってシンプル。
スーパー等はなく、必要最小限のこじんまりとしたお店が並んでいます。
以前は駅南側に小さな本屋さんや酒屋さんもあり、ここぞという時に助かってい
ました。どちらも数年前に閉店されてしまいましたが、そういった地域密着型の
お店がなくなってしまうのはとても悲しいです。
私個人の意見としては、阪急御影駅は派手に栄えてほしくありません。
いつまでも素朴な雰囲気を残しつつ、静かな場所であってほしいと願います。
 
 駅にちなんで付近のお気に入りスポットをご紹介します。
 
●フランシア アオキ屋● 南側改札出てすぐ
 駅南側の改札を出てすぐの果物屋さん。
 高級な果物も数多くそろっていて、前を通ると甘い香りがします。
 果物をふんだんに使ったスイーツも販売しており、是非食べてみたい一品です。
 
●御影高杉 御影本店● 南側徒歩1分
 サロンでのみ味わえるミルフィーユが有名です。
 一風変わった焼き菓子も多く、バレンタインに買ったカバのチョコレート
 はかなりインパクト大でした。
 
 
●にしむら珈琲 御影店● 南側徒歩5分
 モーニングに時々足を運ぶのですが、パン・玉子・サラダ、どれもボリュームが
 あり満足です。落ち着いた雰囲気にも癒されます。
 
●ダニエル 御影本店● 南側徒歩6分
 「うなぎの寝床」というネーミングの細長いチョコレートケーキが有名で、お取り
 寄せもできます。
 生菓子の他にパンや焼き菓子もあるので一度試してみたいです。
 
●蕎麦 ふくあかり● 北側徒歩1分
 3年ぐらい前に駅北側にオープンしたおしゃれなお蕎麦屋さん。
 店内・メニュー・味全てが上品で、お酒も飲める、
 大人向けのお店といった感じです。
 
●ザ・ガーデンプレイス蘇州園● 北側徒歩5分
 絢爛豪華な純和風建築と東アジアのテイストを融合させて造られたモダンな
 空間で、緑に覆われた見事な庭を眺めながら贅沢に食事を楽しむことができ
 ます。こちらで結婚式を挙げたのですが、毎年記念日が近づくとディナーの
 招待がくるので、特別な時間を過ごすようにしています。
 
●ベーネベーネ● 南側徒歩8分
 ナポリピッツァのお店。
 チーズがトロトロで、フォークとナイフで切り分けながらというスタイルで食べます。
 駅から徒歩8分と少しかかりますが、他では味わえない美味しさです。
 
 
阪急御影駅って、とりわけ目立った施設等があるわけではないのですが、
だからこそ拘りのある、信頼できるお店が揃っていることが私の自慢でもあります。
このお気に入りのお店たちやこの地域ならではの素朴さだけは、今後も変わらな
いでいてほしいなと思います。
 
 
 
 
鴨子ヶ原の風景
 
鴨子ヶ原の春はいつも唐突にやってくる。
朝、いつもの急勾配の坂を下ると甲南病院に差し掛かる。
毎日早歩きで通り過ぎる私でも、足を止めて少し眺めていたいと思うくらい立派な
満開の桜の木が目に飛び込んでくる。
一瞬にして春を感じる。
じわりじわりと蕾が開くというよりは、
一気に咲き、潔く散っていくといった印象を受ける。
 
甲南病院横には芦屋方面が一望できる箇所がある。交通量が多く歩道もない
ようなバス道ではあるものの、立ち止まって夜景を眺めている人たちをたまに
見かける。芦屋浜の花火大会の日にはちょっとした人だかりができていたり。
駅からそう遠くない場所でのこの夜景はなかなかのものだと思う。
しかしながら、私は晴れた日の昼間の景色が一番好きだ。
甲南病院から渦森台の方へ続く急な上り坂。我が家に初めての友人を招待すると、
この坂の角度にたいていびっくりされる。
このまっすぐな道を、天気の良い日に上から眺めた時の景色は格別だ。
街並みと海とその向こうまでもが見渡せ、そのキラキラした感じにいつもワクワクする。
ここに住む前に三宮で5年間暮らしていた私は正直、この土地の不便さばかりがどう
しても目につき、都会との差を感じてばかりいた。
そんな時に何気なくバイクで下った坂道。暖かい風と静かな空気がとても心地よく、
一瞬でこの土地を好きになった。それ以来、この道をバイクで下るときにはつい歌
を口ずさんでしまう。いや、口ずさんでいるというよりは完全に熱唱している。
  
それぐらい大好きな場所だ。
 
暖かくなる頃にはよく近くの住吉川を散歩する。海まで続く散歩道を下り、
またそのなだらかな坂道を折り返してくる。
真夏でも程よい汗をかく程度で、ゆっくり歩いても往復で1時間半ぐらい。
その間小さな子どもたちが水遊びをしていたり、
学生たちがバーベキューをしていたり。
魚や水鳥が普通に生活しており、上流では6月頃にホタルが見られるらしい。
 
私たちがこの鴨子ヶ原を住む場所に決めた一番の理由は、この辺りに長年住んで
いる方たちの「子どもを育てるのにとてもいい環境」だという意見だ。
それを実際に感じたのは、私自身が妊娠中に運動のためにいろんな場所を歩いて
回ったとき。
確かに、どこか目的地に早く到着したいというときにはバスや車がないと多少不便
かもしれない。でも、本当に静かで穏やかな空気が流れていて、時間がたっぷりあ
るときにゆったり散歩するには絶好の場所であるといえる。歩いていると山道なら
ではの意外な抜け道を発見したりして、大人でもちょっとした探検気分を味わえた
りする。そして長細い道と生い茂る緑のおかげで真夏でもわりと涼しい。
普段は日傘が必需品の私でも、阪急御影駅までの徒歩15分は、大半が直射日光
を避けて歩けるぐらいだ。
 
いつもなら買い物は車かバイクで行くのだが、天気のいい日には運動のためにと
JR住吉駅のシーアまで歩いたり、また別の日には阪神御影駅の御影クラッセに
足を延ばしたりする。どちらも40分程で辿り着く。
自分の足で実際に歩いてみると、今まではとても遠く感じていた場所が案外近くに
感じられ、こじんまりとした雰囲気になおさら愛着が湧いた。
御影クラッセの西向かいには御影中学校があるが、ここが我が子の校区となる。
鴨子ヶ原に住む子どもの多くがそこに通うことになるのだが、毎日となると正直、
なかなかの距離だと思う。もちろん私も買い物を済ませると迷うことなくバスで岐路
に着く。思い起こせば、阪急御影駅から自宅までを歩いて上ったことはこの5年で
たった2度しかない。
1度目はマンションを購入し、周辺を散策がてら歩いたとき。そして2度目は友人を
駅まで見送った後、何も持たずに出てきてしまっていたとき。
残暑のうだるような暑さを恨み、自分の体力の無さにただただ呆れた。
あれ以来、阪急御影駅から甲南病院へ毎朝歩いて通勤されている方たちを見て
は、心から尊敬している。
 
あと、尊敬といえばここへ住み始めた頃にとても衝撃を受けたことが一つ。
大人はもちろんのことだが、小学生になるかならないかぐらいの小さな子から
中・高生ぐらいの子たちが、いつもしっかりと挨拶をしてくれる。一部ではなく、
全員といっていい程だ。以前住んでいたところでは全くそういうことはなく、
恥ずかしながら私自身も挨拶をしないことが日常となっていた。
とはいえ、ここに住み始めた頃、先に子どもたちから挨拶されると大人として本当
に情けない気持ちになった。当たり前のことをしっかりと守るよう、きちんとしつけ
されているのを目の当たりにして、我が子にもしっかりと伝えていきたいと思った。
 
秋頃になると、イノシシと遭遇することも珍しくない。バイクで坂を上っている途中、
バイクと同じくらいの大きさをしたイノシシ2頭が、私の横を並走してきたこともある。
その時はさすがに血の気が引いたが、今までに危害を加えられたことは特にない。
一度はマンションの敷地内でサルと対面したこともある。他には見たことのない鳥
や虫。さっきまでいた都会とのギャップに、山に住んでいることを改めて感じる瞬間
である。
            
 
クリスマスシーズンになると鴨子ヶ原3丁目付近はイルミネーションでいっぱいにな
る。個々の家で飾られているようだが、何軒も連なるとボリュームもかなりある。
19か39系統の市バスに乗り、いつもの道を通り抜ける。普段は明かりも少なく真っ
暗な印象のバス道がきれいに装飾され、ちょっとした名所といえるほど素敵な空間
になっている。ただ、昨年は恐らく節電のため、一部でしか飾られていなかったが。
 
夏場はわりと涼しいだけあって、真冬ともなると少し冷え込みが厳しいように思う。
雪が乗っかった状態の私の車で阪急御影駅まで数分ほど下ると、駅周辺では全
く雪の気配がなかったこともあった。近距離であってもやはり山地と平地では寒暖
差が多少あるらしい。
道路が凍結してバスが動かないことも年に1度ほどある。
やはり利便性としては優れているとはいえない。
それでもこの辺りに住んでいる人たちは絶対的に満足している。そして、町全体が
より良い町にしていこうという気持ちが非常に強いように思う。
私はまだまだこの地域について知らないことばかりの新人ではあるが、住み心地
の良さについてははっきりとお勧めできる。
 
これからも、もっともっとよく知っていきたいし、私の地元だと胸を張っていえるよう
深く付き合っていきたいと思っている。